肺がんについて

日本の最新がん統計で、もっとも死亡者が多いのが肺がんになります。肺がんの発生と遺伝子の異常についての研究が進んでいますが、細胞がなぜがん化する(無秩序に増える悪性の細胞にかわる)のかまだ十分わかっておりません。

肺がんの罹患率、死亡率は男性のほうが女性より高く、女性の3倍から4倍にのぼります。がんで亡くなった人数を部位別に多い順に並べると、肺がんは男性で第1位、女性で第2位です。罹患数と死亡数に大きな差はなく、これは、肺がん罹患者の生存率が低いことと関連しています。

肺がんの一般的な症状は、風邪などの症状と区別がつかないことが多いので、なかなか治りにくい咳、血痰、胸痛、喘鳴、息切れ、嗄声、発熱などを認める場合には医療機関の受診をお勧めします。喫煙歴のある40歳以上の人は、注意が必要です。

肺がんは組織型(タイプ)によって大きく二つに分かれます。小細胞肺がんは、肺がん全体の10〜15%を占めます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの三つに分けられます。

肺がんの治療方法について

小細胞肺がんは、放射線と化学療法(抗がん剤治療)が効きやすく、化学療法が治療の中心で、がんが胸部に限定している場合は放射線も併用します。

非小細胞肺がんは、転移がない場合は手術の適応になりますが、早期にがんが見つかった人以外は、手術、化学療法、放射線療法を組み合わせた総力戦となります。

肺がんが完治して社会で活躍されている方もたくさんいますが、手術が可能なのは肺がんの約三割です。残りの七割の患者は化学療法と放射線療法を併用した治療か、化学療法で治療することになります。また手術を受けた患者でも、再発を防ぐために術後の化学療法が必要になります。

肺がんの化学療法専門の医師の役割も非常に重要です。一般的に肺がんの放射線療法や化学療法は強い副作用を伴います。そうかといって副作用を怖がって標準的な量より薬を減らしてしまったら、効く薬も効かなくなってしまいます。効果が最大限になるような量の薬を使いながら、副作用をうまくコントロールしていく。肺がんの化学療法には、そんなテクニックと最新の知見に基づいた知識と経験が必要になります。

また、肺がんの場合、半分以上の人は、胸水がたまっていたり、他の臓器に転移のある状態で見つかっています。そういったケースに対する化学療法は、組織型や特定の遺伝子変異があるかどうかによって、オーダーメードの治療が必要になります。

最近の研究で、進行した非小細胞肺がんの患者ののうち、治療を開始する段階から精神的・身体的苦痛を和らげる緩和ケアと標準治療を一緒に受けたグループの方が、標準治療を受けたグループより生存期間が延びたという結果が発表されています。今後はこのような緩和ケアを早い段階から取り入れる治療方法が必要となると言えます。

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